助六飯場

あの夏の最後の日
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あの夏の最後の日

深く遠く濃い青空の裾野の一角に、輝くような白い雲が盛り上がっていた。彼女は何冊かの本を持ってテラスに出て、目を細めた。「典型的な夏休み」そう言って、眩しい空を見上げたまま目を閉じた。目蓋の裏が薄いオレンジ色であることを確かめていると、陽射しのせいで目蓋がすぐに暖かくなっていくのを感じた。本を胸に抱え直し、目蓋の表面に感じるその温度の具合と、目蓋の裏側に感じる不思議なくすぐったさを少し楽しんだ後、視...
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