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いにしえの機械装置を拝んぢゃえ!

Posted by 坊主岩太郎 on 18.2010 Mission   0 comments   0 trackback
Tag :軌道跡 ブヨ 飛行虫 林鉄 森林鉄道 国有林 廃線跡 吊り橋 木橋
「こんなトコ。二度と来るモンか!」
と、森林鉄道廃線跡で男はキッパリそう言い切った。
目的のブツを目の前に、沢の大増水によって断念を余儀なくされた状況下ではなおさらのことだ。
また、再び川床まで下降して、駐車場まで登り返さなくてはならない、という最悪の状況。いっそのこと、この奥深い山中の軌道跡に小屋でも建てて住んでしまいたいくらいだった、とその男は後に語る。それほど深刻かつ絶望的な状況だったらしい。

帰りの歩道の登り返しでは、はるか後だったハズのおじちゃんおばちゃんご一行様に抜かれる始末。
「あらっ。あなたどこから来たの? 私たちの前後にいなかったわよね」
ご婦人のひとりが言った。
「ハイ。実は……あの山中に行ってたのですよ」
と、男は背後に見える対岸の山を指さした。
「あらま! 何か宝物でもあるの?」
ご婦人の目は真剣だ。
「いえいえ(宝モノには変わりないが)。あそこに……」

ご婦人たちが歩き出しても男はなかなか動き出そうとしなかった。そう、すでに片足が機能していないのだ。躰を支えているのは、そこらで拾った一本の杖である。この苦を共にした杖は、その後も遡行の相棒になっている。今も車の後部で出番を待っている。
10歩進んでは小休止。その繰り返しが駐車場まで続く。小休止するたび飛行虫(ブヨの類)の餌食となり数カ所刺されてしまった。出血もある。その後数日間、コレに悩まされたのは言うまでもない。

ついに駐車場が見えてきた。さっきのおじちゃんおばちゃんご一行様の車が出発するところだった。
こんなに差がついていたとは...
後部座席のおばちゃんが、心配そうに見ている。
最後の力を振り絞っておもいっきり手を振った。
おばちゃんも手を振っている。
「ありがと。帰って来たぞ!」 心の中でそう叫んだ。
ブレーキが解除され、車は土埃を上げて去って行った。
そうそう。同行のH氏は10年前に着いていたとか...

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